沖縄対策本部■自国の軍拡を棚に上げ、自衛隊の訓練を避難する中国メディア

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人民網日本語版が海上自衛隊の訓練について取り上げています。

日本の自衛隊に対する中国の報道を見ることによって、日本の自衛隊の存在意義が見えてくると思います。

また、自衛隊の訓練そのものが抑止力になっている事が理解できると思います。

是非、ご覧下さい。

(仲村覚)


<日本艦隊はなぜ狂ったように軍事訓練をするのか>

~対潜戦術は中国を狙ったはかりごとか?~

(「人民網日本語版」2011年11月24日)
http://j.people.com.cn/94474/7655344.html

アジア太平洋経済協力会議(APEC)関連会議が8日から13日にかけて米ハワイで開催された。

だが思いもよらないことに、同時期に会場から遠くないハワイ沖で米国、カナダ、日本の軍艦、潜水艦、戦闘機が海軍合同演習「Koa Kai」を実施し、APEC会議と極めて不釣り合いな雰囲気をつくり出した。

米紙ホノルル・アドバタイザーによると、米国、カナダ、日本は演習に軍艦5隻、P-3対潜哨戒機8機、潜水艦多数を投入した。

注目に値するのは、日本の海上自衛隊が初めて水上艦の「しらね」型ヘリコプター搭載駆逐艦「くらま」を派遣したことだ。

最近の米韓との相次ぐ海軍演習および「中国潜水艦脅威論」の誇張という一連の動きとあわせて考えると、日本が海外演習による海上戦闘能力強化の意図をいよいよ露骨にしていることは明らかだ。

「世界新聞報」が伝えた。

■足跡は太平洋の随所に

海上自衛隊は10月末以降、米韓両海軍と合同演習を3回実施。その足跡は西太平洋の随所に及んでいる。今月10日から17日の「Koa Kai」演習では実弾射撃、水上艦攻撃、対潜作戦を含む多くの演習が行われた。これまでと違うのは、米日両海軍の連携能力を強化するため、初めて日本のヘリコプター搭載駆逐艦「くらま」と米海軍の艦艇、潜水艦、戦闘機が合同演習を行ったことだ。

米第7艦隊のウェブサイトを見ると、アジア太平洋に展開する米軍の主力艦隊は10月末にも沖縄沖で海上自衛隊と合同対潜演習を実施している。この時は海上自衛隊護衛艦隊群の塚田文彦指揮官が軍事演習連絡官として米空母に乗艦し、対潜水艦のノウハウを学んでいる。韓国紙コリア・ヘラルドによると、韓国海軍も最近日本の軍艦と釜山沖で合同軍事演習を行った。韓国側は駆逐艦1隻、機雷敷設艦1隻、揚陸艦1隻、P-3対潜水機1機、ヘリ1機を投入、海上自衛隊は4200トン級駆逐艦2隻を派遣した。

日本の軍艦が1カ月足らずの間に自国沖、韓国沖、米ハワイ沖の3海域の合同軍事演習に立て続けに姿を現わした。軍事演習への日本の傾注は明らかだ。

新式装備の相次ぐ配備に伴い、海上自衛隊の規模はこれまでにない膨張を見せ、エアシーバトル能力も大幅に向上している。先進装備で基盤を固めた日本艦隊が、合同軍事演習という「戦闘力錬磨」の機会を逃すわけがない。米国の率いる地域合同軍事演習に毎回欠かさず参加するだけでなく、韓国やインドとの海上合同演習にも熱を上げている。これには軍事要素以外に、関係を強化し、地域における影響力を高めようとの狙いも相当ある。遥かハワイ沖の演習への「くらま」の参加は、米国との軍事同盟を基礎に「合同演習」重視を日増しに強める日本の傾向の直接的な現われだ。

■対原潜作戦が演習の重点

海上自衛隊は東アジア各国海軍の中でイージス艦を最多保有し、水上艦の防空・ミサイル防衛能力も最強だ。だがそれよりも注意が必要なのが対潜戦闘能力だ。冷戦時代に一貫してソ連の原潜に的を絞り艦隊を構築していたこと、そして近年の「中国潜水艦の脅威」への過度の憂慮から、海上自衛隊はヘリコプター搭載駆逐艦、ジェット哨戒機など対潜専用兵器を相次ぎ開発してきた。米国を始めとする他国との合同軍事演習でも、海上自衛隊は対潜作戦を特に重視している。

「Koa Kai」演習では対潜演習も行われた。「くらま」が遠路参加したのもこのためだ。「くらま」は排水量5200トンで、主砲2門、「アスロック」対潜ミサイル、「シースパロー」艦対空ミサイルを搭載し、SH-60J哨戒ヘリコプター3機を艦載。高く大きな格納庫と広く大きな後部甲板は、同艦が「対潜水艦専門」であることをはっきりと示している。演習で「くらま」は米加両海軍の対潜哨戒機や水上艦と合同演習を行い、海空合同対潜作戦のノウハウを蓄積した。さらに注意を要するのは、以前の「Koa Kai」演習で米原潜が仮想敵の役割を務めていることだ。日本が現在原潜を保有しないことと考え合わせると、「くらま」は対原潜戦術の研究のために参加した可能性が高い。

海上自衛隊は最近、中国海軍の動きへの注視を強め、さらには列島を越えて太平洋へ向かう中国海軍の艦艇や潜水艦に近距離で嫌がらせを繰り返してすらいる。日本メディアが中国原潜の戦闘能力をしばしば誇張していることと考え合わせれば、合同演習による対潜戦闘能力の強化という海上自衛隊の動きに、中国が警戒を保つのは当然だ。日本テレビは、今回の日米合同演習は中国が主要仮想敵国であり、「今後も同様の合同訓練が積極的に進められる」との見方を示した。NHKテレビも同じスタンスで、南西諸島の防衛態勢の強化が演習の目的と報じた。

■強力な潜水艦隊

日本の建造した「そうりゅう」型AIP潜水艦の5番艦「ずいりゅう」が10月20日に進水したことで、海上自衛隊の先進潜水艦に再び海外の注目が集まった。

昨年から就役の始まった「そうりゅう」型潜水艦はAIPシステムを搭載しており、3-4週間の潜航が可能。533ミリ魚雷発射管6基と先進のソナーシステムを搭載し、高い対潜戦闘能力を備える。

海上自衛隊が潜水艦を軍事力強化の糸口に選んだのが、深思熟考の結果であることは明らかだ。

日本は非核三原則の制約上、原潜は当面開発できないため、原潜の代役を担わせるべく引き続き通常動力型潜水艦に力を入れるほかない。

日本の潜水艦の性能が極めて抜きん出ているのはこのためだ。

日本の潜水艦部隊の規模拡充とはすなわち、通常動力型潜水艦における優勢を強化し、「量と質の結合」モデルで潜水艦隊の攻撃能力および対潜戦闘能力を高めることだ。

(編集NA)