JSN■唐淳風の「琉球独立運動」のねつ造の手法

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いま、中国で琉球独立運動のねつ造報道を最も積極的に行っているのが、商務部研究員日本問題専門家の唐淳風という人です。

<唐淳風(商務部研究員日本問題専門家)>

特に昨年9月7日の尖閣諸島近海での中国漁船の衝突事故後は、積極的にプロパガンダ(宣伝工作)を発信しています。彼がプロパガンダ(宣伝工作)を発信するときに利用するのは、沖縄での琉球独立運動家の写真やホームページに掲載されたアピール文です。

写真の使い方が最もひどい記事が昨年の11月頃に掲載されていましたので、紹介いたします。論調はいつものようにポツダム宣言の主張や、琉球人民が日本の植民地支配に抵抗して独立運動をしているというものです。

そして、「どこにでもある、『写真で見る琉球独立闘争』」として十数枚の写真を掲載しています。

<本格化する琉球独立闘争>
http://bbs.ifeng.com/viewthread.php?tid=5534848
(商務部研究員日本問題専門家 唐淳風)

このサイトを見ると日本では、全国どこもかしこも、エジプトやリビアのように琉球独立の反政府でもが起きているかのように見えます。つまり、「琉球独立運動の大規模デモはあっちこっちで起きているんだよ」と写真を掲載しているわけです。

しかし、実際には沖縄では、琉球独立運動のデモとは「かりゆしクラブ」が行う10人、20人ぐらいの規模の活動しか存在していません。という事は、他のデモの写真を「琉球独立運動」のデモとしてねつ造しているのです。

今回は、それらの写真をひとつひとつ、チェックしてみたいと思います。

■唐淳風が使った写真1

実は、この写真は、2007年9月29日に開催された歴史教科書検定撤回要求集会の写真です。この時の琉球新報の新聞記事があります。撮影角度が90度違っていますが、同じ集会の写真である事がわかると思います。

この新聞の11万6000人という事も真っ赤な嘘という事があきらかになりましたが、この写真を琉球独立運動と更に嘘をつくのですがら、中国というのは嘘だらけの国ですね。

■唐淳風が使った写真2

この写真は、何の写真なのか皆目検討がつきません。どう見ても沖縄の写真ではありませんし、東京のようにも見えますが、都内でも思い当たる場所もありませんので、外国かもしれません。とにかく、全くのでたらめ写真です。
(※編注:車道の矢印表示が右側通行に見える。右側の建物に「???會館」らしき文字。台湾か?)

■唐淳風が使った写真3

3番目の写真は、2007年9月29日の教科書検定の写真です。元の写真は、沖縄タイムスのものです。

■唐淳風が使った写真4

この写真はイラク反戦5周年全世界一斉デモの渋谷で撮影された写真を利用しています。全く同じ写真が表示されますので、下記サイトのを確認してみてください。

<週刊『前進』(2335号1面1)(2008/03/17 )>
http://www.zenshin.org/f_zenshin/f_back_no08/f2335.htm#a1_1

■唐淳風が使った写真5

この写真は、いうまでもありません。2007年9月29日の歴史教科書検定抗議集会です。右上に看板があるのですぐわかると思います。琉球独立の大きな旗が唐淳風にうまく利用されています。この会場に集まった人全員が「琉球独立」を求めているような錯覚に陥ります。なるほど、これが、プロパガンダの手法なのだと関心させられます。

■唐淳風が使った写真6

かりゆしクラブ(旧琉球独立党)の党首

2006年には沖縄県知事選挙へ出馬しました。得票数は6220票、得票率は0.94%です。また、2008年には那覇市長選へ出馬しています。得票数は1797票、得票率は1.42%です。

<かりゆしクラブ公式ホームページ>
http://www.bekkoame.ne.jp/i/a-001/

公式ホームページでは、かりゆしクラブは中国とは全く関係ないといっています。唐淳風が「沖縄では琉球独立運動が起きている」という事は嘘ではありませんし、ごく少人数でマイナーではありますが、かりゆしクラブが琉球独立運動を行っています。また、かりゆしクラブが中国と関係あるという証拠もありません。

しかし、唐淳風や多くの中華サイトでは、普天間移設反対集会や教科書検定講義集会の写真にかりゆしクラブの琉球独立旗が写っている写真を使って、それを琉球独立運動の集会やデモだとして紹介しています。これは明らかなねつ造報道です。

屋良朝助党首、お手数ではありますが、唐淳風に公式に抗議していただけないでしょうか。
「この写真は琉球独立の旗が掲げられていますが、琉球独立運動の集会ではありません。」
「この集会は、普天間基地反対集会であり、教科書検定への抗議集会です。」
「琉球独立党はほんの一部参加しているだけです。」
「勝手に使わないでください」
と是非、唐淳風や中華サイトの管理人に抗議していただけないでしょうか。

そうでなければ、中国から金をもらって「琉球独立」の旗を降っていると思われてもしょうがないと思います。

■唐淳風が使った写真7

とにかく、琉球独立党は、大きな集会に参加した時は、「琉球独立」の旗を掲げる事に熱心なようです。去年の1月30日に日比谷で普天間移設反対集会がありました。そこに琉球独立党は参加しました。その時の集会場での動画があります。党首の屋良朝助が「琉球独立」の大きな旗を持って、うねり歩いている事がわかります。

<普天間はいらない日比谷集会で、琉球独立の旗をもって歩く屋良朝助>

<沖縄の基地反対集会で琉球独立デモ?>

何故、太鼓を叩いているかは不明です。沖縄の雰囲気があるとは思えません。

■沖縄県民も知らないうち中国で進む琉球独立運動

このように、沖縄県民の1%の支持も集めていない琉球独立運動が、中国の手によれば、エジプトやリビア並みの反政府運動のように報道されてしまいます。これを各国に発信されていく可能性が高いので、ものすごく注意深く見ていかなければなりません。

また、中華人民共和国は国連の常任理事国ですので、本気で国連に「琉球臨時政府」の承認をもらう事を考えているかもしれません。中華民国を国連から追い出し、国連の常任理事国の座を奪った実績がありますので、これも警戒が必要だとおもいます。国連への働きかけは、アイヌ問題もからめた危険な動きがありますので、別途機会があるときに紹介したいと思います。

やはり、今必要なのは沖縄での日の丸掲揚運動だと思います。

(JSN代表 仲村覚)