八重山日報■「辞世の句削除しないで」仲村氏が15旅団に要請
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■Yahooニュースに転載された記事(令和6年6月30日)https://news.yahoo.co.jp/articles/45120648d7cb58a3e671dcb58dcba0ac45b58cf8 |
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■八重山日報(令和6年6月29日付) |
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■15旅団長宛に提出した要請書(PDF版) |
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■15旅団長宛に提出した要請書(テキスト版) |
令和6年6月28日 陸上自衛隊第15旅団長 一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラム 一部の活動家の要求によって、第15旅団ホームページに掲載された 桑江群長訓示とともに掲載された牛島軍司令官辞世等を削除しないよう求める要請書 メディアの報道によると、今年の沖縄慰霊の日を前に、県内の一部の活動家が陸上自衛隊第15旅団のホームページに掲載されている、初代桑江群長の訓示の最後に掲載された牛島軍司令官の辞世の削除を求めています。彼らは、牛島司令官の命令が沖縄戦で多数の沖縄住民の死につながったため、これらの記述を削除しなければ犠牲者の霊を慰めることができないと主張しています。しかし、牛島司令官も慰霊の対象であり、結果として多くの住民が犠牲になったことは事実ですが、厳しい戦況の中で、最善を尽くした指揮官であり、戦いに殉じた指揮官を戦後に生きる我々が慰霊の対象から外すことは、傲慢極まりない行為です。 15旅団のホームページに掲載されている牛島軍司令官の辞世は、戦争で草木も残らぬほど焼け野原となった沖縄が、いつの日か復興することを願っています。また、桑江初代群長の訓示には、戦中戦後の沖縄の苦難の道を思い、沖縄が祖国に復帰した瞬間を「感慨無量」と表現し、敗戦により沖縄戦で散った英霊の志を無駄にしないよう、平和で豊かな島となるよう努める覚悟が込められています。桑江群長が沖縄防衛の任務に就く際、その先人に思いを馳せるのは、復帰直後の沖縄防衛の重責を担う指揮官として自然なことです。 日本は世界一長い歴史を持つ国であり、その間、幾度か国家存亡の危機に直面しています。そのたびに、何人かが命をかけて国を守り、そのおかげで現在の日本と沖縄が存在します。このように、連続する国防の歴史が今の日本と沖縄を形作っています。現在の自衛隊は、過去に国を守り続けた先人の任務を引き継ぎ、現在の危機を乗り越え、次の世代にバトンを渡す役割を担っています。自衛官はその認識をもってこそ、使命感を持って国防の任務に従事することができます。したがって、法律や制度において連続性は異なりますが、国防の歴史と精神は必然的に連続性をもつものであり、これに疑問を挟む余地はありません。よって、以下要請いたします。 1、一部の活動家の要求によって、第15旅団ホームページに掲載された桑江群長訓示とともに掲載された牛島軍司令官辞世等を削除しないようお願いいたします。 以上
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◇削除要請の記事◇ |
■琉球新報:牛島司令官「辞世の句」削除の要請相次ぐ 県内の平和団体ら那覇駐屯地を訪れ 沖縄https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-3217404.html |
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■琉球新報
<社説>HPに牛島司令官辞世 自衛隊は「皇軍」に戻るのか |
自衛隊は、日本を再び「皇国」とし、自らを「皇軍」にしたいのか。「誤解を招く」ではすまない事態がまた明らかになった。那覇市に拠点を置く陸上自衛隊第15旅団が、ホームページ(HP)に第32軍牛島満司令官の辞世の句を2018年から掲載していることが分かった。
辞世「秋待たで枯れ行く島の青草は皇国の春に甦らなむ」は、沖縄を焦土とし多数の住民を死に追いやった責任者である司令官が、皇国において沖縄が甦(よみがえ)ることを願う内容だ。それを今、自衛隊が掲げることは、日本国憲法の理念からも、県民感情からも到底許せるものではない。ただちに削除を求める。 この辞世は、HPの15旅団の沿革を紹介するページにある。1972年5月15日の日本復帰に際して、同旅団の前身の臨時第1混成群長だった桑江良逢氏(2010年死去)の訓示に続けて掲載されている。15旅団総務課は「訓示にはなかったが、桑江氏がこの言葉に強い思いがあったと聞き、載せたようだ」と説明した。なぜ桑江氏の死後、何年もたって掲載する必要があったのか。15旅団も防衛省も、その理由を説明する義務がある。 1月に陸自の陸上幕僚副長ら数十人が靖国神社を集団参拝したことが問題となった。天皇のために殉じた者を神(英霊)として祀(まつ)る靖国神社は、東京裁判のA級戦犯を合祀(ごうし)しており、首相らの参拝を巡って中国、韓国が厳しく批判をするなど、外交問題にもなってきた。組織的集団的な参拝を「私的」としても、政治性を帯びざるを得ない。 だが、3月の参院予算委員会で防衛省の人事教育局長は「自衛官が制服を着用して私的に参拝することに問題はない」「自衛官は自衛隊法などにより常時、制服を着用しなければならない」と答弁し、「私的な集団参拝」として正当化した。 15旅団は04年以降、旅団長らが毎年6月23日の慰霊の日に牛島司令官らを弔う糸満市摩文仁の「黎明(れいめい)之塔」を参拝して批判を受けてきた。22年から中断しているが、15旅団は、「皇国」を称揚し、32軍と連続性を持とうとしていると受け止めざるを得ない。 国民主権の日本国憲法下、日本には軍隊はなく、自衛隊は軍隊ではない文民統制の組織として存在してきた。天皇主権の「皇国」も、天皇の軍隊を意味する「皇軍」も、現憲法で否定したはずだ。 教科書検定でも戦前回帰の動きが顕著になっている。特攻隊員の戦死を「散華」と表現し、沖縄戦の旧制中学校・師範学校生の戦場動員を「志願というかたち」と記述する令和書籍の中学校歴史教科書が検定を通過した。これらと防衛省・自衛隊の動きは連動していないか。「軍隊は住民を守らない」という教訓を譲ることができない沖縄にとって、「皇国史観」復活の動きは断じて認められない。 |