寄稿論文■沖縄・翁長知事の国連演説は本当にヤバい

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(月刊正論2015年10月号掲載)

仲村覚(沖縄対策本部)

 約7年前から沖縄問題に取り組んできた私は今、沖縄の歴史という、自分の経歴とは無関係で不相応な大きなテーマに大きく足を踏み込んでしまっている。日本は「従軍慰安婦」や「南京大虐殺」、「強制連行」といった歴史捏造により中国、韓国から「歴史戦」を仕掛けられている。しかし、私から見れば日本最大・最重要な歴史戦は沖縄の歴史戦である。他の二つの歴史戦は日本人の誇りを失わせ自主防衛を阻止するカードとして使われているが、沖縄の歴史捏造プロパガンダは、日本民族を分断し滅亡させるカードとして使われているからである。そして、この問題は日本民族全体の問題であり最大の危機だが、沖縄の歴史を取り戻し、根の深い沖縄問題を解決した時にこそ、日本民族は、強くて団結力のある世界のリーダーとして復活すると確信している。

市民団体が国連演説を手引き

 沖縄の地方紙では翁長雄志知事が9月14日から10月2日にわたってスイスのジュネーブで開かれる国連人権理事会に参加し辺野古移設について演説をするという報道がなされた。

 普天間飛行場の辺野古移設は日米間の国防外交政策である。一地方自治体の首長が国防外交問題を国連に訴えることはありえないしあってはならない。しかし、不可解なことに、翁長知事は「辺野古移設」をテーマにこれを阻止するための演説をするというのだ。それを実現するために積極的に動いているのは沖縄県庁ではない。国連NGOという民間団体である。

《スイスのジュネーブで9月14日~10月2日の日程で開かれる国連人権理事会で、翁長雄志知事が辺野古新基地建設問題について演説するための見通しがついたことが22日、分かった。
 知事の国連演説は新基地建設阻止を目的に活動する「沖縄建白書を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」が複数の国連NGOの協力を得て準備してきた。島ぐるみ会議によると知事の日程調整はこれからだが、開催期間中の9月21日か22日を軸に登壇できる方向で調整している。
 翁長知事は当選後、国連への働き掛けに意欲を示しており、演説が実現すれば知事が新基地建設問題の解決を広く国際世論に喚起する場となりそうだ。
 今回、国連との特別協議資格を持つ国連NGOの「市民外交センター」が島ぐるみ会議などからの要請を受け、人権理事会での発言時間を翁長知事に貸与する意向を示している。国連との特別協議資格を持つNGOが他者に発言時間を貸すことは日常的に行われており、可能だという。
 同センター代表の上村英明恵泉女学園大教授は「人権問題を扱う国連人権理事会で翁長知事が発言すれば、新基地建設に反対する県民の総意と理解され、日米両政府にプレッシャーを与えられるだろう」と述べ、知事が国連で演説することの意義を強調した。
 島ぐるみ会議は翁長知事の人権理事会での演説に向け、同じく国連NGOの「反差別国際運動(IMADR)」と調整してきた。今回、IMADRが人権理事会との日程調整を担当し、市民外交センターが発言時間を貸す方向になった…》(琉球新報7月23日)

 県庁の知事公室の秘書にこの件について尋ねて見たが「それは島ぐるみ会議が進めていることで県庁は何も知らない」という回答だった。島ぐるみ会議は翁長知事の推薦団体だが、県庁側がほとんどノータッチのまま民間に過ぎない市民団体が首長を動かし、海外日程の調整を行っているというから驚きだ。

(論文の続きはiRONNAサイトにてご覧ください)
http://ironna.jp/article/1991