沖縄対策本部長■「偵察衛星打ち上げ」と急を要する軍・官・民一体の「対中サイバー攻撃対処」

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■手放しで喜べない人工衛星打ち上げ成功

12月12日、情報収集衛星、即ち偵察衛星の打ち上げに成功しました。日本では打ち上げ成功率が95%に達成した事を強調して報道されています。

技術的、経済的な観点を重視して報道されていますが、今回の打ち上げは、北朝鮮や中国、ロシアの軍事動向を観察でき「情報収集衛星・レーダー3号機」の打ち上げに成功した事です。

中国が過去、米国の人工衛星に対してサイバー攻撃をしかけた事が明らかになっています。

また、今年にはH2Aロケット打ち上げに関わっている三菱重工にもサイバー攻撃をしかけています。

これからの戦争は、サイバー攻撃による奇襲から始まる時代に突入しているのです。

防衛省の中期防衛計画では少ないながらもサイバー攻撃対処の予算をとり体制を作り始めています。

しかし、偵察衛星は自衛隊の管轄ではなく、内閣衛星情報センターの管轄になっており、サイバー攻撃に対する備えや予算が充分あてられているか心配になります。

日本は今、軍・官・民ともに、中国のサイバー攻撃に備えなければならない時代に入ったのです。

<情報収集衛星打ち上げ成功 H2A 成功率95%を達成 北朝鮮の軍事施設監視に弾み>

(産経新聞 2011.12.12 11:06)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/111212/scn11121211080001-n1.htm

政府の情報収集衛星・レーダー3号機を搭載したH2Aロケット20号機が12日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。

H2Aは14回連続の成功で、信頼性の国際的な目安とされる「20回の打ち上げで成功率95%」を達成。世界の主要ロケットの一つとして足場を固めた。

北朝鮮の軍事施設の監視などを行う情報収集衛星は昼間の晴天時に撮影する光学衛星と、夜間や曇天でも撮影可能なレーダー衛星の各2基セットで本格運用できる。現在運用しているのは光学だけで、レーダーは1号機が平成19年3月、2号機が昨年8月にいずれも電源の不具合で故障した。

後継の3号機は、識別可能な物体の大きさ(解像度)を欧州の商業衛星並みの約1メートルに向上させた高性能機種。電源の不具合を防ぐ対策も実施済みという。開発費は398億円、打ち上げ費用は103億円。

順調にいけば約1年半ぶりにレーダーの運用が再開する見込みで、来年度は4号機を打ち上げ、現在4基の光学と合わせて本格運用の態勢が整う見通し。

産経新聞では、夕方にも記事を配信しています。

<H2Aロケット打ち上げ 確固たる地位へ信頼性の向上を>

(産経新聞 2011.12.12 21:07)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/111212/scn11121221080002-n1.htm

国産基幹ロケットのH2Aは20号機の成功で節目を迎えた。平成15年の6号機の失敗から立ち直り、当面の目標だった20回の打ち上げと成功率95%を達成。初打ち上げから10年で初期のハードルを越え、「一人前」のロケットとして一応の安定軌道に乗ったようだ。

ただ、世界との差は依然大きい。欧州のアリアンや米国のデルタなどは、200~300回の打ち上げで約95%の成功率を維持しており、同じ「成功率95%」でも駆け出しのH2Aとは数字の重みが違う。

衛星の打ち上げを依頼する顧客側からの評価も、十分とはいえない。商業衛星では初受注した小型の韓国衛星を来春に打ち上げるが、H2Aは欧州や新興国と比べてコストが割高なこともあり、大型商業衛星の受注には至っていない。

現状で最大の顧客は情報収集衛星だが、発注する内閣官房も全幅の信頼を寄せているわけではない。6号機の失敗で2基の衛星を同時に失ったことを重視し、その後は1基ずつの打ち上げに変更。費用は倍増しているが、失敗のリスクを考慮しての判断だ。

13年に1号機が打ち上げられたH2Aは、32年ごろまで運用される見通しで、来年から後半戦が始まることになる。世界の主要ロケットとして確固たる地位を築くには、着実に成功を重ねるしかない。信頼性の一層の向上を目指す不断の取り組みが必要だ。(長内洋介)

このように、国内メディアの報道ではロケット打ち上げビジネスの参入に成功できるかどうかという点に関心が集中しています。

では、中国では日本の衛星打ち上げをどのように見ているのでしょうか?中国網チャイナ版の10月8日の報道がありますので、確認してみましょう。

<情報収集衛星相次ぎ打ち上げ 日本の真意とは?>

(中国網日本語版 チャイナネット 2011-10-08 16:10:02)
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2011-10/08/content_23569378.htm

9月23日、日本は6基目の情報収集衛星「光学4号機」の打ち上げに成功した。日本政府の発表によると、この「光学4号機」は、主に朝鮮の軍事施設への監視強化のために打ち上げられたという。

実際、日本は2003年3月にはすでに「朝鮮脅威論」を口実として、初めての情報収集衛星2基を打ち上げ、その後相次いで3基の情報収集衛星を打ち上げている。技術面からみると、これはすでに朝鮮監視の需要を遥かに上回っている。では、日本の本当の意図は一体は何だろうか。

◇露中の軍事施設への監視を強化

長い間、日本政府は晴天の白昼、高精度で撮影できる光学衛星2基と、夜間や曇天時にも電波で物体を捉えられるレーダー衛星2基の計4基体制を確立し、いかなる条件においても世界のいかなるところに対しても、毎日少なくとも1回偵察できることを目指している。その後、レーダー衛星2基は相次ぎ故障で使用停止になったので、日本政府は、2012年度に改めて2基の衛星を打ち上げる予定である。

今回の4号機は第2世代で識別可能な物体の大きさ(解像度)が第1世代の1メートルから約60センチに向上している。これで情報収集衛星のネットワークはさらに整備され、世界に対する監視能力も一層強化されている。

米国中央情報局(CIA)のウェブサイトの報道によると、日本は初の情報衛星2基を2003年に打ち上げてから、国内に写真や画像を伝送し続けてきた。内容は朝鮮の核施設やミサイル発射基地などのほか、ロシアと中国の軍事施設も含まれるという。

◇米国への過度の依存から脱却

また、自ら情報収集衛星を研究開発し、打ち上げることによって、日本は米国への過度の依存から脱却し、情報収集における自主権を高めることを目指している。長い情報収集の歴史を持ち、昔は情報収集の大国だったに日本は、第2次世界大戦後、情報収集の面で米国に依存せざるを得ず、独自に衛星によって情報を収集する能力を持っていなかった。

当時、日本は主に米国、フランスなどの商業衛星会社に必要な衛星写真を購入していたが、これらの写真は1-2カ月遅れているので、日本は突発的な事件対応に問題があり、自らの戦略的意図があらわになる恐れもあった。特に、朝鮮が「大浦洞(テボドン)」中距離弾道ミサイルの発射試験を実施した1998年、日本側は米国経由でこの情報を獲得したのだ。これに大いに「刺激」された日本政府は、自国の情報収集衛星を整備していかなければならないと痛感した。

近年、情報収集衛星のネットワークの形成と衛星性能の大幅な向上につれ、日本は米国への過度の依存から初歩的な脱却に成功している。

◇軍事的「触角」を宇宙に伸ばす

しかし、日本の野心はここに止まることはない。近年、「軍事大国」に向かって前進し続ける日本の意図はさらに明らかになり、進む歩みも加速されている。情報収集衛星は、現代の先端技術を集めており、一国の軍事力のシンボルである。日本は2003年に、世界における数少ない情報収集衛星の保有国となり、間違いなく軍事大国への道に重要な一歩を踏み出した。2008年5月、日本は更に「宇宙基本法」を可決し、「国の安全保障」という名義で、合法的に「宇宙開発利用を推進する」ことを許可し、宇宙開発利用のすべての障碍を一掃し、軍事的「触角」を全面的に宇宙に伸ばしている。

こうした背景の下で、日本がまた、他のタイプの情報収集衛星を研究開発し、「軍事大国」に向かう歩みを加速するかどうかという問題は、もっとも注目されている。日本でこれを支持する人は少なくなく、関連諸国は高度な警戒心を持たなければならない。

情報収集衛星の打ち上げは、「ロシア・中国の軍事施設の監視強化」、「米国への過度の依存からの脱却」と説明しています。

確かに、情報収集衛星の打ち上げ計画は、1998年のテポドン発射がきっかけになっていますが、北朝鮮の軍事施設だけではなく日本の仮想敵国の中国やロシアの軍事施設も監視できますので、この見解は正しいと思います。

しかし、中国は日本の情報収集衛星打ち上げを敵対的にみており、過度に警戒しています。

また、中国は米国の人工衛星にサイバー攻撃を行なっていたことが明らかになっています。

<米衛星にサイバー攻撃…中国軍関与か>

(読売新聞 2011年10月31日)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20111031-OYT8T00661.htm

【ワシントン=山田哲朗】米議会の諮問機関「米中経済安全保障見直し委員会」が、米政府の人工衛星2機が中国からとみられるサイバー攻撃を繰り返し受けたとする報告書案をまとめた。米メディアが28日、報じた。

攻撃を受けたのは、米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星「テラ」と地球資源調査衛星「ランドサット7号」。テラは2008年6月と10月、ランドサットは07年10月と08年7月に、それぞれ数分から十数分間、攻撃を受けた。攻撃は、衛星に命令信号を送るノルウェーの民間地上局を経由したとみられる。地上局はデータ送受信などのためインターネットにつながっている。

報告書案は、攻撃が「中国の手法と一致している」と指摘し、中国軍の関与を疑っている。

また、中国は米国の人工衛星だけではなく、日本の軍事産業へもサイバー攻撃をかけています。

特にH2Aロケット打ち上げにも情報収集衛星の管制にも関わっている三菱重工が攻撃を受けたという事は日本の安全保障にとっても深刻です。

私は、この情報収集衛星に関する情報入手や衛星の制御を不能にするサイバー攻撃を実施するための情報収集目的もあったのではないかと感じています。

<【新唐人テレビ】三菱重工サイバー攻撃 中国が関与か>

米国が中国が自国の人工衛星をサイバー攻撃をしかけたという報告に対して、中国政府は得意の知らぬ存ぜぬを貫いています。

<中国軍が米人工衛星にサイバー攻撃をしかけたとの報告について>

(「人民網日本語版」2011年11月1日)
http://j.people.com.cn/94474/7632085.html

外務省の定例会見で10月31日、洪磊副報道局長が記者の質問に答えた。

—-米議会の「米中経済安全保障再考委員会」が、米国の人工衛星が中国軍当局からサイバー攻撃を受けたとする報告を発表した。

米議会のこの委員会は常に色眼鏡で中国を見ている。報告はでっちあげで下心があり、反論にも値しない。中国もサイバー攻撃の被害者であり、「サイバー攻撃」を含むコンピュータ・ネットワーク上の違法犯罪行為に反対している。(編集NA)

さて、問題の自衛隊ですが、サイバー攻撃について対応をしているのでしょうか?

防衛白書でも既にサイバー攻撃について言及しており、平成23年度から予算もつけています。

中国は既に攻撃できる体制を作っており、最近の攻撃は、いわゆる的に対する実弾演習を行ったようなものですので、自衛隊もサイバー攻撃、防御部隊の編成を急いで欲しいと願います。

<我が国の防衛と予算:サイバー攻撃等への対処>