平成29年第2回「沖縄の危機から始まり沖縄県の設置で終わった明治維新」~明治維新の国防最前線だった沖縄~

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撮影:環舞氏
一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラム
歴史戦セミナー
〜「琉球再議」に備えた理論武装編 ② 〜
『沖縄の危機から始まり沖縄県の設置で終わった明治維新』
~ 明治維新の国防最前線だった沖縄 ~

講師:仲村 覚 理事長
主催:日本沖縄政策研究フォーラム(理事長:仲村覚)
とき:平成29年(2017)2月15日
場所:豊島区南池袋ミーティングルーム

歴史に詳しい方でもおそらくほとんど知られていない、幕末のフランス艦隊が琉球に開口を迫った時の、薩摩と江戸幕府の対応についても詳しくまとめました。
そして、その対応は当時に薩摩藩のブレインだった五代秀堯が書いた琉球秘策に基づいていたことも説明いたしました。
その文書が書かれたのは、1844年、ペリー来航の9年前です。
その要約は、「琉球ノ処分ハ、絶ト和トノ二策ヲ主トスヘシ」つまり開国を拒否するか開国するかのどちらかであり、そして、決して「戦」を選択してはならないというものでした。
江戸幕府はこの秘策に基づいて琉球のみフランスに対して開港を許可しました。
江戸幕府の開国もこの秘策の流れにあることが見えてきます。
琉球秘策とは開国思想のルーツであり、明治維新の始まりであることが見えてきます。
結局、明治維新とは沖縄の危機に始まり、沖縄県の設置で中央集権国家が完成したといえます。
そして、もう一つ重要なのは、琉球処分という言葉が使われたのは、この時が最初であり、決してネガティブな意味で使われているのではなく、そのような危機対応をするかという意味で使われています。
以上、講義の要点を述べましたが、詳しくは動画を是非ご覧ください。

明治維新と琉球処分は同じ日本人でありながら、加害者と被害者に分断された歴史観ですが、今回の講義で、日本民族共通の歴史として共有できる歴史観に近づけることができたのではないかと思います。