沖縄対策本部長■米国、「サイバー攻撃対応」「スパイ活動調査」「ネット規制提訴」で中国を包囲!

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■次々と中国の関与が明らかになるサイバー攻撃

次々とサイバー攻撃への中国の関与が明らかになっていきます。

「誰もが犯人はわかっている、名指しで報道できない」という「オウムのサリン事件」のような状態が変わりつつあります。

本日、29日の読売新聞でもまたひとつ明らかになりました。

<中国人が関与?世界48社にサイバー攻撃>

(読売新聞 2011年11月29日03時00分)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111128-OYT1T00974.htm

【ロサンゼルス=西島太郎】今年7月から9月にかけて、中国人が関与した可能性のあるサイバー攻撃が世界各国で行われ、化学系企業など少なくとも48社のコンピューターが標的とされていたことが情報セキュリティー会社「シマンテック」(米カリフォルニア州)の調査で明らかになった。

被害企業には日本にある1社も含まれていた。

同社が公表した調査結果によると、攻撃を受けたのは、化学分野の研究や開発を行う29社と、防衛産業などに携わる19社。各社のシステムから設計書や製造工程などの機密情報を盗み出すことを目的とした経済スパイだったとみられる。

標的とされた企業名は公表されていないが、欧米やアジア、南米と被害は世界中に広がり、感染した端末の約3割は米国内にあった。

そもそも、インターネットは1960年代に米国防省が構築したARPANET(アーパネット)が前身です。それが80年代に商用として発展していったのがインターネットです。

今、中国はそのインターネット技術を利用して米国に攻撃を始めているわけです。米国がそれを黙って見過ごすわけがありません。

■対テロ戦争の次の新たな戦争「サイバー戦争」が始まった!

米国は、今後どのようなスタンスでサイバー攻撃に対応していくのでしょうか?

3ヶ月以上前の記事ですが、最も明確に伝えている記事がありましたので紹介いたします。

<サイバー空間が「第5の戦場」 米国防総省、中国・北朝鮮念頭に初戦略公表>

(産経新聞 2011.7.15 07:10)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110715/amr11071507110002-n1.htm

【ワシントン=佐々木類】米国防総省は14日午後(日本時間15日未明)、初の「サイバー戦略」を公表し、サイバー空間を陸、海、空、宇宙空間に次ぐ第5の新たな戦場と宣言した。国防総省など米政府や関連施設のネットワークが攻撃を受けた場合、軍事報復を行う可能性は排除していない。米軍は1千種類以上のサイバー兵器を実用化しているとされ、中国や北朝鮮を念頭に、21世紀の新たな戦争形態を提示する格好となった。

◇攻撃を「粉砕」

米メディアによると、サイバー戦略ではサイバー空間を新たな戦場と規定したほか、破滅的なダメージを企図した敵の攻撃を、コンピューターウイルスなどを使ったサイバー兵器で「粉砕」することを最大の目的とした。サイバー兵器を使用する際、大統領の承認が必要となる。

また、攻撃の度合いと被害の深刻さに応じてサイバー上での防御・反撃にとどまらず、ミサイル攻撃で敵の拠点をピンポイントで叩(たた)くなど軍事力を使った武力報復については、直接の言及はないものの、その可能性を排除していない。

米政府機関への不正アクセスが取り沙汰される中国や、北朝鮮などのテロ国家、テロ組織など非国家主体を念頭に置いたものだ。

ホワイトハウスは今年5月に発表した「サイバー攻撃に関する国際戦略」の中で、「米国や同盟国の利益を守るために、国際法に則して外交、情報活動、軍事、経済面であらゆる措置を講じる」としていた。

民間企業や、同盟国を中心とした国際社会との連携を強化していく方針も盛り込んだ。また、集団安全保障の概念をサイバー空間にも適用しており、米国自身がサイバー兵器の開発で優位に立ちつつ、同盟国との連携を強化することで効率的な防御網の構築を目指す。

◇侵入に危機感

背景には、「国防総省が個人から大国まで世界中の無数の犯人に侵入されている」(リン副長官)ことへの危機感と、「サイバー攻撃の迅速性、秘匿性が攻撃側を優位にしている」(同)との認識がある。

実際、昨年9月、イラン核施設へのサイバー攻撃が発覚。複数の原子力発電施設で遠心分離機が作動しなくなる事態が起きた。武力攻撃こそなかったが、これは、イランの核開発と米軍事施設へのサイバー攻撃に対する「米国とイスラエルによる報復攻撃の可能性が高い」(ニューヨーク・タイムズ紙)という。

一方、今回のサイバー戦略で注目されるのは、同盟国へのサイバー攻撃を米国への攻撃とみなしている点だ。このため、米太平洋軍と密接な関係にある自衛隊が、サイバー上で米軍から集団的自衛権の行使を迫られる事態も想定される。

サイバー戦略については、安全保障戦略の指針となる「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)=昨年2月に発表=で対策の必要性を明記。これを受け、米軍は昨年5月に初のサイバー司令部をメリーランドの陸軍基地内に設置、実戦部隊を本格稼働させている。

この米国のサイバー戦略は大きな歴史的転換点だといえます。

9・11の同時多発テロで、国家対国家の戦争ではなく、宣戦布告も外交も行うことのできないテロ組織と闘う「新たな戦争」が始まったように、今回は、第5の空間、「サイバー空間」で闘う「新たな戦争」が始まったのです。

2011年は、全く新しい戦争「サイバー戦争」が始まった年といえます。

米国の発表した「サイバー戦略」で最も驚くのは、他国からのサイバー攻撃を米国だけの問題としてとらえるのではなく、「米国や同盟国の利益を守るために」や「同盟国へのサイバー攻撃を米国への攻撃とみなしている」という表現を使い、同盟の問題としてとらえている事です。

つまり、米国は、「中国の日本へのサイバー攻撃を米国への攻撃とみなす。」ということです。

これは、ある意味当然といえます。何故なら米国と最も密接な同盟関係にある自衛隊は、米国と技術を共有している武器を数多く保有しているからです。

自衛隊からの機密漏洩は、即、米国の技術漏洩となってしまいます。

■中国通信機器メーカーのスパイ疑惑調査

では、次に最近の関連ニュースを見ていきたいと思います。

次のニュースは、サイバー攻撃ではなく、米国に拠点を持つ中国IT企業のスパイ活動に関するニュースです。

<米下院情報委員会、HuaweiやZTEなど中国企業をスパイ疑惑で調査 >

(日本経済新聞 2011/11/21 23:00)
http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819499E0E3E2E0E58DE0E3E3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

米下院情報問題常設特別調査委員会(HPSCI)は現地時間2011年11月17日、複数の中国の通信機器メーカーについて、中国政府のスパイ活動に関与している疑いがあるとして本格的調査を開始したことを明らかにした。

HPSCI委員長のMike Rogers氏は、華為技術(Huawei Technologies)や中興通迅(ZTE)を含む中国企業によって米国のセキュリティと通信インフラが脅威にさらされているとして、1月に予備調査を行うよう委員会スタッフに命じた。情報機関および民間企業との一連の会合、報告、検討を行った結果、この脅威が、米国にとって最優先となる国家安全の懸念につながると判断したという。

今後の調査ではこれら中国企業が中国政府のスパイ活動に関わった範囲や米国の重要インフラに与えた影響などを解明し、国内通信ネットワークのセキュリティ確保に向けた対策の策定にも取り組む。

Rogers氏は、「中国企業が米国ネットワークに侵入し、重要なインフラに脅威を与え、数百万ドルの価値を持つ知的資産の機密情報を米国企業から盗み出していることはすでに分かっている。これは我が国の安全を危機に陥れ、世界市場における米国の競争力を傷つけ、米国の雇用に莫大な損失を与える」と強い懸念を示した。

この記事で問題になっている「華為技術」という中国の企業は、1年前にブログで取り上げたことがあります。

関心のある方は参考にご覧下さい。

<関連ブログ■米諜報機関がスパイ活動で警告した中国・華為技術社、イー・モバイル等へ端末を供給>

私は、ノートPCを持ち歩くときは、イー・モバイルを使っています。通信速度が早く定額なので発売と同時にWILLCOMから乗り換えました。しかし...

新唐人テレビでも動画で報道されているので、ご覧下さい。

<中国通信機器メーカー 米国議会の調査対象に>

【新唐人2011年11月24日付ニュース】

http://jp.ntdtv.com/news/2038/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E9%80%9A%E4%BF%A1%E6%A9%9F%E5%99%A8%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC+%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E8%AD%B0%E4%BC%9A%E3%81%AE%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E3%81%AB

世界的な中国の通信機器メーカーの2社が、アメリカでスパイ活動を行っているおそれがあるとして、調査の対象になる予定です。

アメリカ下院情報問題・常設特別調査委員会は11月17日、中国の通信機器メーカーに対し、スパイ活動を行っているかどうか調査を行うと発表。数百万ドルに及ぶ、機密情報をアメリカ企業から盗んだともいわれます。

今回、名指しされた「華為技術有限公司(ファーウエイ・テクノロジーズ)」は世界二大通信機器メーカーの一つ。2001年、テキサス州にアメリカ法人を設立。現在、アメリカには1500人の従業員がいます。創始者、任正非氏は、中国軍出身なので、中国軍との関連が取りざたされています。

かつてスパイ活動に携わった李鳳智氏は、海外駐在の企業や団体は、情報収集の重要なルートだと指摘。

中国の元諜報員 李鳳智さん

「個人名義で狙いの国、米国で設立した会社や、あるいは民間企業の海外支社や、政府関連の駐在事務所にスパイを送り込みます。時機が来れば、様々な情報を盗みます。軍事情報も当然含みます」

中国の商業スパイへの関心を高めるアメリカ政府。11月初め、アメリカのある諜報員は報告書で、世界で商業スパイが最も活発な国は中国だと指摘。情報収集の狙いとなるのは、医薬、IT、軍事装備、ハイテク素材だそうです。

米サウスカロライナ大学 謝田教授

「中国が西側諸国から、特に欧米から技術を盗んだことは誰もがご存知です。中国がコピー大国、海賊版大国といわれるのは実際 違法に技術を盗み、技術を真似して、コピー商品を作っているためです」

これに対し、中国外交省のスポークスマンは、北京での記者会見で、「経済協力を政治化しないように」と警告。しかし謝教授は、経済を政治化しているのは、ほかでもない中国政府だと指摘します。

米サウスカロライナ大学 謝田教授

「実際 米国の技術を盗んでいるのは中国軍関連の企業ばかりです。特にネットで盗む場合、軍関係の企業が行っています。技術を盗んで真に利益を受けるのは中国軍系の企業です。実際 中国の国有企業は政府の行為でもあります。情報収集は中国の国策です。完全に政治化されています。『欧米に経済を政治化するな』と言うものの滑稽な話です」

ミシガン州の共和党下院議員で、情報委員会のマイク・ロジャース委員長は、すでに予備調査を始めたと発表。さらに、中国企業がアメリカの通信企業に部品を提供する形で、アメリカの安全を脅かしている恐れについても調べる予定です。

新唐人テレビがお伝えしました。

■米政府、中国のネット規制を通商問題として提起

今度のニュースは、米政府が中国のネット規制を通商問題として提起していくというニュースです。

つまり、米国は、「サイバー攻撃対応」「スパイ活動調査」「ネット規制提訴」で着実に中国包囲網を作っていっているのです。

日本は、米国の同盟国であり、サイバー戦争においても同盟国であることを忘れてはならないと思います。

日本も、サイバー部隊を編成する時期にきているといえます。

(仲村覚)

<中国のネット規制 米政府・議会「市場参入阻む通商問題」としても提起>

(産経新聞 2011.11.28 21:55)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111128/amr11112821580003-n2.htm

【ワシントン=古森義久】米国の政府と議会が連帯して、中国のインターネット規制への反対を従来の人権弾圧に対する抗議だけでなく、米国企業の損失の防止という立場も含めて推進していくこととなった。

米国通商代表部は10月末、世界貿易機関(WTO)に対し「米国企業のインターネットサイトが中国で不当に規制、妨害されている」として、中国政府に規制の基準を明示することを求める措置をとった。米国政府はこれまで中国のネット規制を人権や言論の抑圧として抗議してきたが、今回は米国企業が中国の消費者へのアクセスを阻まれているとする通商問題としても提起した。

米国議会でもこの動きに対応する形で、「中国に関する議会・政府委員会」が今月中旬、「中国のインターネットとソーシャルメディアの検閲の人的被害と貿易への影響」と題する公聴会を開き、人権弾圧と市場参入妨害の両面から問題提起した。

同公聴会では、米国のネット関連企業の全国組織、コンピューター通信工業協会のエド・ブラック会長が「米企業の中国向け販売は当局にネット通信を大幅に規制され、中国の競合企業を利しており、市場閉鎖に等しい」と指摘した。

米国貿易法支援委員会のギルバート・カプラン会長も、中国でのツイッターやフェイスブックというソーシャルメディアの全面禁止が米企業の中国市場参入を阻んでいる、と証言した。中国当局は米企業の中国向けサイトをブロックして企業や商品の情報の流れを阻止し、ソーシャルメディアでの米製品の広告の機会が奪われているという。

中国に関する議会・政府委員会委員長のクリス・スミス下院議員(共和党)は、「中国共産党政権のネット弾圧は個人の基本的人権の侵害であり、世界人権宣言にも中国独自の法律にも違反する」と非難。副委員長のシェロッド・ブラウン上院議員(民主党)も、「中国のネット規制は米国企業の中国消費者向けの情報提供の阻止であり、WTOを通じての強い抗議が必要だ」と主張した。