寄稿論文■夕刊フジ もうひとつあった議事録不作成:中国人観光客へのビザ緩和

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<民主チョ~いい加減!ビザ緩和でも議事録作らず>
(2012.02.08 ZAKZAK 夕刊フジ)

 民主党政権が、福島第1原発事故関係の会議議事録を作成していなかった問題が取り沙汰されているが、他にも同様のケースがあった。昨年7月、国会でも沖縄県議会でも何の議論もされずに中国人観光客のビザが緩和された。一部では「不法滞在者の増加を招きかねない」と指摘されているが、この議事録も作成されていなかったのだ。

 ビザ緩和は、これまで15日だった中国人の短期滞在ビザの有効期間を3年(1回の滞在期間は90日)に延長し、その間であれば何回でも訪日できるようにしたもの。

 表向き、「沖縄県の観光振興のため」となっているが、実際は、初回の日本訪問時に1泊以上沖縄に滞在すれば、翌日からは日本中どこにでも訪問・滞在が可能になる。2回目以降は、日本のどこからでも入国でき、自由に入出国できるのだ。

 元警視庁捜査官で「日本が中国の『自治区』になる」(産経新聞出版)の著書があるノンフィクション作家の坂東忠信氏は「現場の捜査官も『これは事実上のノービザではないか』という危機感を持っている。最近、中国人相手に違法スレスレといえる滞在許可ビジネスが増えている。不法滞在者の組織的合法化など新裏ビジネスにつながる可能性がある」と語る。

 現に、東京入国管理局に問い合わせると「90日を過ぎても帰国しない場合、何らかの理由で警察の職務質問を受けて、オーバーステイが発覚しない限りどうしようもない」と回答した。

 一体、このビザ緩和はどのようにして意思決定されたのか。

 公文書管理法で、議事録が作成されているはずだと、外務省外国人課に議事録提出を求めると「議事録はない」という返答。仕方なく、自民党国会議員の事務所を通じて、国政調査権を根拠に議事録提出を求めてもらったが、同様に議事録は出てこなかった。

 民主党政権は、日本をどうするつもりなのか。

(ジャーナリスト・仲村覚)