【夕刊フジ書評(2018.5.1)】沖縄を守る備えこそ日本再生の“カギ”『沖縄はいつから日本なのか』仲村覚著

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【夕刊フジ書評(2018.5.1)】沖縄を守る備えこそ日本再生の“カギ”『沖縄はいつから日本なのか』仲村覚著

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180501/soc1805010010-n1.html

https://goo.gl/2LUqNF

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1964年の東京五輪開催は日本国民を挙げての悲願だった。だが、その聖火リレーがまだ復帰前の沖縄から始められたとき、沖縄では本土よりも熱狂したという。当時、同じ日本人という喜びをかみしめた沖縄から、今“独立論”が噴出しているのはなぜか?

そんな疑問に決定的な解答を提示するのが本書だ。いま、沖縄と本土の一体感が薄れているように見えるのは、沖縄でも本土でも正しい沖縄の歴史が教えられていないからだと本書は指摘する。“沖縄人”と日本人は民族的に違いがあり、沖縄は歴史的にもかつては中国の一部だった--こんな誤った歴史観がまかり通っている。それを助長するのは、虎視眈々と尖閣諸島、いや沖縄そのものを狙う中国であり、返還前から反米運動を進めてきた左翼勢力だ。

沖縄の正史は、源氏の子孫を琉球王にいただき、一度も中国の支配下だったことはない。また、日本人と同じく縄文人をルーツに持つ。本書では、黒船を本土より先に迎えた幕末の沖縄が明治維新で果たした役割や、先の戦争での悲劇にも触れ、祖国復帰から今にいたる政治的な食い違いなども明らかにする。

苦い思いで沖縄をのど元に刺さったトゲのように扱う本土の風潮もいましめており、本書によって、沖縄問題が日本の問題に他ならないと納得できるだろう。そのうえで、地政学的にも重要な沖縄を守る備えを国民を挙げて行えば、日本の再生にもつながるという。