寄稿論文■夕刊フジ 中国、尖閣の次は“沖縄本島”も強奪?初の空母に微妙な命名情報

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<中国、尖閣の次は“沖縄本島”も強奪?初の空母に微妙な命名情報>
(夕刊フジ 2012.09.04)

 中国軍部や周辺で、近く就役予定である中国初の空母に、「釣魚島号」または「琉球号」と命名しようという動きがある。日本固有の領土である尖閣諸島だけでなく、沖縄本島までも強奪する思惑なのか。野田佳彦政権は中国に配慮して、東京都の石原慎太郎知事が提示した「国有化の条件」を拒否する構えというが、そんな弱腰で大丈夫なのか。

 中国は、ウクライナから空母「ワリヤーグ」を購入し、遼寧省大連で改修を続けてきた。昨年8月から今年7月にかけて、計9回の試験航行を実施し、今月中にも同国初の空母(訓練用)として就役する。

 人民日報のネット版「人民網」によると、中国人民解放軍の羅援(ラ・エン)少将は先月19日、両岸四地区“釣魚島問題”研討会で、同空母を「釣魚島号」と命名することを提案した。

 韓国が同海軍最大の強襲揚陸艦に「独島(竹島の韓国名)」と命名したことを手本に、尖閣諸島を実効支配しようというもの。羅援少将は「軍強硬派」として知られ、これまでも「尖閣諸島に中国軍の軍事施設を建設せよ」などと発言してきた。

 さらに、香港のフェニックステレビのニュースサイト「鳳凰網」では8月21日、中国人民解放軍の退役教官で、軍事評論家である宋忠平(ソン・ジョンピン)氏が「釣魚島では範囲が小さいため不十分」「第一列島線の琉球群島の東側まで含めるために『琉球号』と命名するべき」「琉球は事実上、われら中国の藩属国であり、中国の領土である」と訴えた。

 冗談ではなく、中国系の新聞や雑誌、インターネットには「中華人民共和国琉球自治区」や「中華民族琉球自治区」といった文字が多く見られている。

 このままいけば、中国は近い将来、尖閣諸島だけでなく、沖縄全体の領有権を主張し始めるのではないか。民主党政権は危機感が薄いが、心ある日本人は本気で警戒しなければならない。

(ジャーナリスト・仲村覚)